相続放棄の手続きは生前に行いましょう。

私が相続放棄した時のことをお話します。

私の父はそこそこの中小企業のトップで、御他聞に漏れず、資産もありましたが莫大な額の借金をも背負っていました。 トータルでいえば、借金の方がはるかに大きいです。 そのため、相続放棄することは子どもたちの間では共通の認識でした。

断言します。

財産を確保したうえでの相続放棄は、事前の準備がすべてです。 私がやったような方法は、相当前からコツコツと準備しないとできません。

私の親がやった方法は、毎年贈与税の控除内の110万円ずつ保険料のかたちで子どもに贈与する、というものです。 何なら、少し110万より多めにして、毎年すこしだけ贈与税を支払うというやり方の方がいいかもしれません。税務上にきちんとした記録がのこりますからね。

しかし、このやり方は、長い時間がかかります。 私の場合、子どもの頃から親が税金対策として子どもにお金が入る保険に入れてくれました。被保険者が親、受取人が子ども、契約者は子ども、という保険です。 公式な記録に残る、ということはとても大事です。

また、兄弟間での意志が放棄で固まっていることも大事です。借金が自分にのしかかる、という事実が明瞭であったため、兄弟は反対しませんでした。 一致して相続放棄しました。 しかしそれでも父の死によって私たちは財産を受け取る事ができました。

そう、死亡保険金です。

相続放棄をしたあとでも、死亡保険金は受け取れるのです。 相続放棄の手続き自体は非常に簡単にすみました。 父は病気で他界したため、危なくなってきたところで弁護士の先生にお願いしておいたからです。

型通りの手続きを弁護士の先生にお願いし、何も問題なく数週間後に相続放棄の証明書がとどきました。 なお、その当時悪徳弁護士に騙された経験があり、猜疑心の塊になっていた私は、その書類を持って法務局へいき、その書類が本当に本当のものであることを証明してもらいました。

そこまでしなくても……と思うかもしれませんが、世の中悪い弁護士は確実にいて、それを知っている私としては、この財産放棄の有無によっては人生がかんたんに破滅するので、そこまで念押しして確実さを保証してほしかったのです。

幸い、父母が依頼した弁護士は良い人のようで、きちんと相続放棄の書類は通っていることを教えられました。 相続放棄後、不安のある方はその書類が完全に本物かどうか、地元の法務局をたすねることを推奨いたします。私がかかったのは、せいぜい300円くらいでした。

こうして私は父の負債は財産放棄し、その資産のなかから生命保険という形でお金を受け取れることになりました。